冬の暖房器具として人気のある薪ストーブとペレットストーブ。どちらも炎が見える生活を楽しめる一方で、実用面での違いも気になりますよね。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、あなたのライフスタイルに合ったストーブ選びをサポートします。
木質ペレットと薪の違いって?
ペレットストーブと薪ストーブは、どちらも木質バイオマス燃料を使用するストーブです。
木質バイオマスとは、木材に由来する再生可能な資源のこと。ペレット燃料や薪、ウッドチップなどがこれにあたります。
森林の成長過程で発生する間伐材や、製材過程で発生する製材くずを原料としているため、化学燃料と違い、数十年で再生可能です。
本来捨てられるはずの資源を再利用できる、環境に優しいエコな燃料と言えるでしょう。
薪の種類は大まかに「広葉樹」と「針葉樹」に分けられます。
- 広葉樹: 密度が高く、ゆっくりと燃えて熱量が高い
- 針葉樹: 密度が低く、軽くて薪割りがしやすい。火も着きやすいため焚きつけ用に向いている
ただし、薪の燃焼効率は大きさや乾燥具合によって変わります。十分に乾燥していない薪は燃焼効率が悪く、暖まりにくい上にススが多く発生します。
生木から薪を作る場合は、割って薪にしてから少なくとも半年以上、できれば1年以上は乾燥させる必要があります。
屋外に保管する場合には、地面から離して整理して積み上げ、覆いを被せるなどの湿気対策も重要です。
一方、ペレットは丸太、枝葉や製材工場で発生する端材などを固めて円筒形にした燃料です。
直径6~8mm、長さ25mm以下で形が揃い乾燥しているため、取り扱いが簡単です。
薪に比べて木を1/3に圧縮しているため、運搬も楽で、薪ほど保管場所を広く確保する必要もありません。
屋内での保管も可能です。
長野県内であれば、森林組合やホームセンターなどで購入できます。
ペレットにも薪にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
ストーブ設置を検討する際には、各燃料の特徴を理解し、自身のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
ペレットストーブや薪ストーブは火力調整が難しい?
炎が見える暖房器具であるペレットストーブと薪ストーブは、エアコンや石油ファンヒーターなどに比べると温度調整が難しいと感じるかもしれません。
ここでは、温度設定ができない機種を例に挙げて説明します。
ペレットストーブと薪ストーブに共通する特徴
- エアコンのように空気を暖めるのではなく、輻射熱で体の芯から暖める
- 消火後も暖かさが残る
火力調整について
- 薪ストーブ: 住宅全体を暖める全館暖房の概念で作られているため、特に中型から大型機種は住宅1棟をまかなえるほどの暖房能力を持つが、微妙な火力調整は苦手
- ペレットストーブ: 火力調整ダイヤルがついているものが多く、炎を直感的にコントロールできる。ペレットの量や送風ファンの強さを変えることで温度調整が可能
消火について
- 薪ストーブ: 自然に火が消えるのを待つ自然消火で、消火に1~2時間、完全消火に5~6時間かかる。本体を急激に冷たくすることはできない
- ペレットストーブ: 停止スイッチを押して消火する。機種によるが、5分~10分程度で火が消える。消火後も排気ファンが30分~1時間程度動き、ストーブ本体の温度を下げたりする
薪ストーブやペレットストーブは、部屋全体を十分に暖めてから消火などを行うことで、輻射熱の暖かさが残ります。
ペレットストーブは煙突がいらない?薪ストーブと違いを比較
「ペレットストーブは煙突がいらない」という話を耳にすることがありますが、実際はどうなのでしょうか?
ペレットストーブと薪ストーブの煙突の違い、工期、費用などを比較してみましょう。
煙突の種類と工期日数
- 薪ストーブ: 空気を(給)排気するためのファンがないため、ドラフトによって自然に排煙させ空気の取り込みを促す。ある程度の高さを設けることでドラフトを発生させスムーズな排気を促すため、天井まで煙突を突き抜けるなどの工事が必要がある。既存住宅に設置する場合の工期は2~3日
- ペレットストーブ: 壁に穴を開けて排気筒を設置する。機種にもよるが、1メートルから3メートルくらいの高さ。工期は半日程度
設置にかかる費用(一般的な工事の場合)
- 薪ストーブ: 本体価格 + 煙突工事費+露台工事費+耐火・耐熱工事費などを含めて = 総額100~200万円くらいかかることが多い
- ペレットストーブ: 本体価格30~100万円 + 配管部材費 + 設置工事費15~30万円 = 合計50~130万円くらい
薪ストーブとペレットストーブのコスト面での違いは、煙突や耐火工事です。
薪ストーブは電気を使わずドラフトで排気をするため、煙突を高くする必要があります。
一方、ペレットストーブは排気ファンを回して排気を促すため、煙突は高くても3mくらいまでで済みます。
また、全体が熱くなる薪ストーブに対して、前面のみ熱くなるペレットストーブは耐火工事の必要もなく、初期費用を抑えることができます。
ペレットストーブ下部の熱が高くなる機種に関しては、フロアプレート等の敷板が必要な場合もあります。
※機種や建物の構造により、排気管の高さや耐火工事が必要な機種もあります。
ペレットストーブと薪ストーブ!あなたのライフスタイルに合っているのはどっち?
ペレットストーブも薪ストーブも、炎が見えるという共通点があります。
共通点
- 炎を見ながら暮らす
- 遠赤外線で部屋全体が暖まる
- 結露が出にくい
- 煙突工事、排気筒の設置で壁(または天井・屋根)に穴をあける
- 調理ができる(ペレットストーブは機種による)
薪ストーブの特徴
- 電気を使用しない製品がほとんど
- 煙突工事の費用がかかる傾向にある
- 燃料の微調整が効かない。基本的に燃え尽きるまで消化できない
- 薪の調達方法で燃料代が大きく変わる
- 自分で薪を作る場合、材木の積み込み・薪割りの体力と時間、薪を乾燥させるための保管場所が必要になる
- 薪の出し入れや灰の処理で家が汚れる
- 煙やにおいなど近隣の方への配慮が必要
- 煙突のメンテナンスが必要
ペレットストーブの特徴
- 安全装置やファンを動かすために電気を使用する
- 操作が簡単で、ボタン操作で点火、タイマー、火力調整などができる
- 燃料の補給が自動、保管方法も簡単で、手も汚れにくい
- 煙や灰の量が少ない
- 薪ストーブほどではないが、日々のメンテナンスやシーズンオフの煙突掃除は必要
- 機種によっては数年に1度のサイクルでモーターやファンの交換費用がかかる可能性がある
- 薪ストーブほど火力は強くない
- デザイン、バリエーションが多く、機種によっては薪ストーブのような手動着火を楽しめたり、湯沸かし、薪と兼用ができる種類もある
どちらがおすすめ?
- 薪ストーブ: 着火や薪の準備などスローライフを楽しめる方
- ペレットストーブ: 共働きで日中留守にしている場合など、タイマー付きの機種で起きた時から暖かく過ごしたい方
薪ストーブからペレットストーブへ…入れ替えを検討されている方が増えています!
使っている薪ストーブが老朽化してきたり、体力的な理由などで薪ストーブを使い続けるのが難しくなってきたという方が、ペレットストーブへの入れ替えを検討されています。
ペレットストーブは、薪ストーブと同じように木からできている木質バイオマス燃料であるペレット燃料を使っていますが、薪ストーブと違い電気を使ってファンを動かしている機種がほとんどです。
薪ストーブではできていたこと、例えば天板の上で調理するといったことができなかったり、逆にタイマー機能で指定した時間に自動着火するなど、薪ストーブではできなかったことができるといった違いもあります。
ペレットストーブはメーカーや機種によっても様々なタイプがありますので、ご自身のライフスタイルに合ったものをお選びください。
軽井沢、佐久市、上田市をはじめとする東信地域で、ペレットストーブの導入を検討中の方へ。
ペレットプラスでは、ペレットストーブの販売・施工を承っております。
「炎のある暮らし」にご興味をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
お客様にぴったりのペレットストーブをご提案させていただきます。